イタリア最古参のメーカー
MOTO GUZZIというとイタリアでも屈指の老舗のメーカーです。
創業は1921年ということで100年を超える歴史を誇ります。
きっかけは第1次大戦でした。
モロ・グッツィがイタリア陸軍に召集されました。
この時ジョバンニ・ラベッリというレーサーとジョルジオ・パローディという資産家の御曹司と出会います。
グッツィはもともとモーターサイクル好きで、いろいろなアイデアを練っていました。
そのアイデアを2人に話したところ意気投合し、終戦したらモーターサイクルメーカーを作ろうと話し合ったそうです。
これがMOTO GUZZIの原点でした。
鷲のエンブレムの秘密
MOTO GUZZIのオートバイというと鷲のエンブレムが一つのシンボルになっています。
3人で会社を興そうとしたのですが、創設時にラベッリはその名を連ねることはできませんでした。
第1次大戦が周旋した数日後、ラベッリは戦闘機のテストフライトを担当していました。
この時事故を起こし、志半ばで亡くなってしまいました。
当時イタリア空軍では、翼を広げた鷲が紋章として使われていました。
そこで自社のエンブレムに取り入れたわけです。
ここにも創業者2人とラベッリの変わらぬ友情がうかがえます。
縦置きのメーカー
MOTO GUZZIのバイクにはいろいろな特徴があります。
その中でもエンジンを縦置きにしている点は見逃せません。
V型空冷2気筒エンジンを採用しているのですが、このタイプのエンジンで縦置きクランクにしているメーカーは世界でただ一つです。
エンジンについても個性があり、アクの強さがある意味大きな特徴です。
特に中低速域におけるトルクの厚みは、ほかのメーカーを圧倒しています。
この個性のあるエンジンフィーリングがMOTO GUZZIの売りになりました。
多少乗りづらいところがあるので、一般のライダーで乗りこなすのは難しいかもしれません。
しかしその癖を個性ととらえるバイク上級者も少なくなく、固定ファンを抱えているブランドでもあります。
伝統と現代の絶妙なバランス
MOTO GUZZIは2012年からピアッジオの傘下に入りました。
そこからMOTO GUZZIのこれまでの伝統を尊重しながらも、現代のニーズに合わせたバイクづくりを進めるようになりました。
MOTO GUZZIのバイクは力強い加速やスタイリッシュなデザイン性が評価されてきました。
しかし信頼性という部分で少し問題がありました。
ピアッジオ傘下に入ったことで、信頼性が大幅に向上しました。
またこれまでのバイクは乗りにくさがありました。
しかし2000年代以降のMOTO GUZZIブランドのバイクを見てみると、このウィークポイントも克服されました。
今では楽しく乗れるバイクが多いと評価されています。