126cc以上のバイクは法定点検が義務付けられている
バイクを安全な状態で走行するために、道路運送車両法では1年に1回点検整備をすることが義務付けられています。
これが法定点検と呼ばれるもので、点検すべき内容が定められ、その作業の結果を記録簿として残しておく必要があります。
といっても、この法定点検をしなくても特に法的な罰則がないためあまりしない方もいます。
しかし、126cc以上のバイクは法律上の義務として行うべきですので、オーナーは確実に点検整備を実施しましょう。
251cc以上のバイクについては車検があり、車検のたびに点検記録簿を提出する必要があります。
車検場にてバイク本体のチェックを受けたあと、記録簿を担当係官に見せて確実に点検整備が実行されているかをチェックします。
これは自分で車検を通すユーザー車検でも同じで、車検で提出すべき記録簿は特に整備士などの資格保有者が作成しないといけないといったルールはなく、オーナーが自分で行っても問題ありません。
点検整備で行われる点検の内容
点検整備については自分でも実施できるのですが、やはりより安全にバイクに乗り続けるためには、たまにはプロにしてもらうのが一番です。
特に年式が古くなっているバイクなどは素人が見ただけでは分からない不具合が発生していることもありますので、しっかりとチェックしてもらった方が良いでしょう。
点検整備では、まず全体的に見て調子が悪いところがないかを確認します。
そのためにも、エンジンをかけて試乗したり、計測機器を使って細かくチェックしたりします。
エンジンのレスポンスや振動、異音、ブレーキの効き具合や前後左右のバランス、足回りの硬さや反応などをプロの感覚と計器で徹底的に見ていきます。
その上で、法律で定められている項目を点検実施していきます。
たとえばタイヤの溝の深さや傷、ホイールのゆがみやブレーキディスクのブレなどを点検します。
ブレについてはゲージで計測し、0.1mm単位で把握しています。
さらに、ディスクやブレーキパッドの摩耗具合を確かめて、減りが激しければ交換となります。
パッドの厚さは点検簿に記載することになっていますので、正確に計測します。
同時に、ホイールベアリングの動きの滑らかさやキャリパーピストン周りのチェックもします。
その際には洗浄とグリス塗布をして、整備も進めていきます。
ブレーキフルードの液量や劣化具合を見て必要に応じて交換します。
エンジンと関連する駆動系もチェックをします。
特に排ガスについては車検でもチェックが入るため、規制ルールに合致しているかを計測します。
メーターと実際の速度が合っているかを専用のマシンで計測したり、ライト類が光量や角度などの点でルールを満たしているかをチェックしたりします。