軽自動車とともにバイク製造を主力にするSUZUKI
SUZUKIと言えば、バイクメーカーとしても有名ですが同時に軽自動車大手としても広く知られています。
バイクメーカーとしてはHONDA、YAMAHAに次ぐ三番手のシェアで軽自動車においてはダイハツに次ぐ業界第二位のシェアを獲得しています。
SUZUKIという企業の歴史をおさらいしてみると、まず「SUZUKI」という名称は創業者である鈴木道雄に由来しています。
もともと鈴木道雄は静岡県浜松で木製の足踏み機械の製造をしており、のちに「鈴木式織機株式会社」という会社を作ります。
YAMAHAが楽器メーカー、KAWASAKIが造船業からスタートしたように、SUZUKIも機織り業という一見バイクとは全く関係ないかのように思えるとことから事業をスタートさせています。
鈴木式織機株式会社は鋳造技術を用いた機械製造をいち早く導入した企業であり、それまでは熟練の職人頼りであった機織りの業界において、未習熟の人材でも簡単に品質の高い織物を作ることができる技術を開発しました。
機織り機事業は非常に順調で、戦前には京都や和歌山で約7割の機械受注をとりつけるとともにインドネシアにも多くの機材を輸出しています。
しかし1937年に入ると日本で戦争の機運が高まり、次第に工場製造が軍需製品に偏ることになります。
戦後になって再び機織り機の製造をしようとしますが、当時販売していた機織り機が非常に優秀で100年が経過してもまだ使用されていることがわかったことから、以後はより買い替え需要が期待できる分野へと舵切りをします。
その新規事業に選ばれたのが自動車産業で、英国車であるオースチンセブンを購入してその構造をもとに国内生産をすることにより自動車メーカーとして発展していきます。
そこからさらにバイク産業に進出をしてゆき、現在ではこの2つが主力事業となっています。
安さと性能の両方を追求したのがSUZUKIのバイク
軽自動車メーカーとしてのSUZUKIが非常に高く評価されているのが、価格に対しての性能の良さです。
いわゆるコストパフォマンスということですが、SUZUKIは創業時より安い部品を使って高い性能を出すことができる製品づくりを得意としてきました。
これはバイクにおいても全く同じで、同じクラスのバイクで比較をしてもSUZUKIのものは他社よりも数割安い価格設定になっていることがよくあります。
安いだけでなく製品についても細かい研究をしており、中でも耐久性の高さということでは海外でも非常に高く評価されています。
一方で他のメーカーにはないユニークなデザインの車両をリリースするという思い切りの良さがあり、それが熱狂的なファンを獲得しつつ一般受けしにくいという特徴もあります。
SUZUKIのエンジン性能はレースでも証明されており、特にヨシムラと提携したGS1000での鈴鹿8時間耐久レースでは最強のチームと呼ばれたりもしました。